過去2回にわたってこの話をしてきましたが、ついに最後になります。思ったより長くなってしまい、3部作みたいになってしまいました。
過去のおさらいを簡単にしておくと、勝ちにまぐれはあるけど負けにまぐれは無く、負けのパターンを徹底的に排除する必要があるということ。そして、過去求められていたものと現在求められていることは、同じ業態であっても変わってきていることをお話ししました。
今回はそれを踏まえて、じゃあ私は学習塾でどうやって勝ちに行くのか。勝ちに行くためにどのような思考を巡らせているのか。と言うことを可視化していこうと思います。
学習塾の勝ち筋
前回のブログでも書いたように、良くも悪くも過去と現在の生徒の質が変わり、やれと言われてもやらない生徒が多く出てきています。
この背景には、強く言えない学校教育の環境や、正解のない宿題の増加、生徒自身がインターネットに触れることが容易になったことによる情報の錯綜化など、多くの要因が考えられます。
いわば、今までなんとなく先生や親の言っていることが全部正しいと思い込んでいたものが、インターネットの出現によって正しい正しくないの答えが出てしまったがゆえの現象です。
ではやることはとてもシンプルで2つのことを実行していきます。1つは根拠のある学習法や情報を提供することです。
なんだ当たり前じゃないか、とお思いかもしれません。そうです当たり前なんです。ただ、その当たり前を大人たちは出来ていないんです。
「なんで勉強しないといけないの」と言う問いに答えられますか。「良い大学に入って良い職場に入るため」とか答えていませんか。「あなたの為」で片づけてはいませんか。
学校教育を受けたことがある人は、マーカーを引けと言われたことがあるのではないでしょうか。なぜマーカーを引くか答えられますか。実はマーカーを引くという勉強法は、効率の悪い勉強という研究結果も出ているくらい、効果が薄いものなのです。
例えば英単語の暗記法をどうやって教えますか。私はまず読んで覚えようと伝えます。読むのは単語とその意味です。暗記と言うのは大量反復が必要なので、まずは英単語と意味をリンクさせる必要があるからです。
さらに言えば、物事には順序があります。書くのも大事ですが、意味が分からないものや読めないものを何度も書いても意味がありません。書いているものが何かを理解してから書く練習をしなければいつまでたっても覚えられず、時間の無駄となります。
みたいな感じで、なぜその勉強をしなければならないのかを明確にして挙げる必要があります。
もう1つは皆を幸せにすると決めてしまうことです。
私の大目標は、成績を上げることでも志望校に受からせることでもありません。皆の将来を幸せにすることです。その中に成績アップや志望校合格があるから、その小目標に向かって頑張ってもらうだけです。
幸せにするってなんだよって思う人もいるかと思いますが、この考えこそが重要で、私の芯の部分です。これに従って何をするかを決めています。
何度も話しましたが、時代が変わって、生徒たちも教育も変化してきました。俺についてこいという指導法もほめて伸ばす指導法も、小手先だけの指導では漏れが出てきています。
生徒たちに何をさせるべきか、どうやったら伝えることが出来るのかを考えたときに、一番親身になって考えている、いわば自己犠牲を生徒の人生に投じている人がいました。
それが親です。親と言うものは、正解不正解と言うものは置いておいて、自分より子供優先に考えて日々を過ごしています。考え方はどうあれ、それは簡単にできることではありません。ではなぜ自分の時間を削ってまで子供のために動くのか。
子供に幸せになってほしいからですよね。じゃあ私もその考えを持てば良いのです。すごくシンプルかつ最強の思考だと思います。
生徒の幸せを考えていて、適当な指導などできません。伝えることの選抜も、伝え方の工夫も、やることの選定も、生徒の幸せを理念とした場合には妥協はできません。
やる内容一つとっても、自分の中でなぜなぜを繰り返します。塾の先生のなかにも、どうしても自分のやり方を押し付けてしまったり、とりあえずでやるものを選んでしまったりする人がいます。これは他の仕事でもいえることです。
相手の幸せを考える。さらにそれは感情的な部分だけでなく、理屈的な概念を持ちながら。簡単なようで超難しい課題かもしれません。ただ、それが実現したとき、どうやら勝てるなという算段がたちました。
長くなりましたが、これで私が考える塾での勝ち方は終わりになります。最後まで見てくださった方々ありがとうございました。