【学習塾】意味のあるマンツーマンと無駄なマンツーマン

私が学生だった時、学習塾といえば集団授業の塾が多かったイメージですが、近年では個別指導塾の人気が高くなってきています。

そのなかでも、生徒1人に講師が1人のマンツーマン指導という形も珍しくなくなってきました。

ということで今回は、意味のあるマンツーマンと無駄なマンツーマンについてお話していこうと思います。

私自身、集団指導塾の講師、個別指導塾の講師、マンツーマンの個別指導塾の教室長をやってきていますので、少しでも塾選びの参考になればと思います。

1、マンツーマン指導の魅力

①自分だけのカリキュラムを組んでくれる
マンツーマンの1番の魅力と言ったらこれしかないと思います。勉強が苦手で、現状学校の授業に全然ついていけない生徒にとって、集団授業は地獄ですよね。

分かりやすいもので言えば、中学1年生の文字式の足し算引き算が理解できていないのに、方程式を解くようなもので、受け手側からすると、何をしているのか全く分かりません。

それがマンツーマン指導だった場合、文字式に戻るということができるので、自分にあった単元の勉強ができるというわけです。

③要望を聞いてくれる
マンツーマン指導の場合、他の生徒を気にする必要がないので、授業の要望を聞いてくれやすいです。

例えば「もうすぐ英検があるから英検の対策をしたい」、「普段は数学の授業を受けているが、学校で分からないところがあったので英語の問題をやりたい」など、その時に応じて学習内容を柔軟に変更することができます。

③質問がしやすい
集団授業や多人数が混在している自習などの場合、質問がしにくいという生徒は多くいると思います。

ただ、マンツーマンだったらすぐ横に講師がいて、授業時間は付きっきりで見てくれるため、分からない問題が出てきたらすぐに質問をすることができます。

 

2、マンツーマン指導の落とし穴

マンツーマン、良さそうですよね。ただやはりメリットがあればデメリットもまた存在します。

そのデメリットに対して、どう対処しているのかによって、意味のあるマンツーマンなのか、無駄なマンツーマンなのかが決まってきます。

まずそもそも論として、マンツーマン指導の塾は相対的に授業料が高額です。もちろん、1人の生徒の為だけに授業をするので、その分の人件費がかかります。集団指導塾での120分週2回の授業料と個別指導塾での60分週1回の授業料が同額だったりします。

また、個別指導塾の講師はアルバイト生であることが多いです。驚かれる方もいるかもしれませんが、これは当たり前の話ではあります。個別指導塾の講師が全員プロ講師(それで生計を立てている人)であれば、各ご家庭のお月謝はとんでもないことになりますからね。

そられも加味したうえで、マンツーマン指導のデメリットを上記であげた魅力と対比してあげていこうと思います。

①塾のカリキュラムだけでは成績は上がらない
自分だけのカリキュラム作成をしてくれるのがマンツーマンの魅力ではありましたが、カリキュラム通りに行くことはほとんどありません。

例えば、週に1回通塾をしている生徒で、前回の学習内容を全く覚えていないなんてことは珍しくありません。
新しいことを覚えるためには、何度も反復しなければなりません。1週間も時間が空いているのですから、忘れてしまうのは当然のことです。

そうなると、また同じ内容を教える必要が出てきて、結局前回と同じ範囲をやりました、なんてこともあります。
なぜそんなことが起こってしまうのか、それが次の項目になります。

②アルバイト塾講師の仕事は勉強を教えること
個別指導塾の講師はアルバイト生が多いと言いました。アルバイト生というのは時給制です。授業時間以外は時給は発生しないのが基本です。

つまりアルバイト生にとっては、『どうやって今できるようにするか』だけを考えれば良いのです。下手すると解法はそこまで教えず、一緒に解くという名目で講師自身が問題を解いてしまい、生徒もできた気になってしまうなんてこともあります。

アルバイト生には『どうすれば定着するのか』を考える義務はありませんので、宿題の出し方や、自習への誘導もしていない講師が多いですね。

さらに、生徒が「今日はこれがやりたい」と言ったらカリキュラムを無視してそっちの授業をしたり、挙句の果てには「今日は何したい?」と生徒に委ねる講師すら存在します。

③なんでも教えてしまいがち
質問しやすいのが魅力の1つであるマンツーマン指導ですが、勉強ができるようになるためには、教えすぎはタブーです。

質問をするのも大事ですが、自ら調べたり考えたりして理解したものと、人から教えてもらったものでは理解度が異なります。

学習を定着させるためにはどこまでヒントを出すかを見極めて、できるだけ自分で考えられる部分は考えさせるようにしてあげなくてはなりません。
ただ、先程もあげたとおり、教えるのが仕事だと思っている講師ならば、我が物顔で全部教えてしまうんです。教える側からすると、全部教えた方が楽ですからね。

 

3、良いマンツーマン指導の塾の見極め方と使い方

では、良いマンツーマンの塾とはどんな塾なのでしょうか。見極め方としてはまず入塾の面談時に以下の2つの質問をすることをお勧めします。

①マンツーマン指導以外の特徴
マンツーマン指導だけが特徴の塾ならば、先程のデメリットが当てはまる可能性が高いです。

②講師研修はしているのか、またその頻度は
実は講師研修を実施していない、していたとしても年に1回あるかないかの塾が多いです。同じ看板の塾でも、教室によって違います。もちろん実施していない場合はアウトです。(アルバイト生に聞いた方が良いかも)

 

基本的に良い塾は教室長によって決まります。アルバイト生が悪いような言い方に見えたかもしれませんが、学生の講師が悪いわけではありません。9割以上は教室長の裁量にかかっています。

皆さまが良い塾に出会えることを願っております。

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