他と違う選択をする人へ

独立して丸1年ほどが経過し、独立後初の受験生を見送る準備段階に入ってまいりました。

学習塾経営と一言に言っても、学習塾には多くのスタイルが存在していて、おそらく私は、他塾とは全く違う選択をしてきていて、今後もその道を開拓して行くのだろうと考えています。

他と違う選択をすることは、今の時代良いようにも聞こえますが、良いことだけではないのも事実です。この1年で感じたことや、これからの危惧も含めて、他と違うことを選択する人たちに少しでも伝えられたらなと思います。

まずは私が他塾と比べて、何をどのように違う選択をしているかを伝えさせてください。

『塾とは受験合格や成績向上をするところである』おそらくこれが周知の事実であり、一番のニーズだと思います。

なので、受験合格や成績向上というキーワードをもとに、学習塾はシステムを定め、お客様に選ばれる努力をします。

とりあえず勉強量をこなせば成績は上がるので、ある塾では大量の課題を出し、強制感を持ちながら生徒に学習をさせます。その大量の演習量をもって、受験合格をつかみ取らせるやり方です。

しかし、誰しもがその勉強量に耐えれるわけではありません。そういった生徒を救うために、面倒見を重要視した塾があります。成績を上げるためにはその生徒にあったスケジュールが大事なので、一緒にカリキュラムを組みましょうという寄り添い型と言われるものです。

いわゆる前者が集団塾、後者が個別指導塾が取り入れているシステムだと考えればわかりやすいと思います。多くの学習塾がこの二つの型に分かれます。顧客ニーズがそこにあるからです。

正直私の塾は、この二つの型に当てはまりません。なぜならば、この二つの型に共通して言えるのは、生徒自身学力以外身に付くものが少なすぎることだと思っているからです。

確かに成績を上げる、受験に合格するためだけであればそれでよいのかもしれません。しかし、生徒は卒業した後も学習をしなければなりません。勉強は一生続きます。

勉強のやり方を伝えなければ、なぜその教材を使うのかを伝えなければ、今後何を意識して学べばよいかを伝えなければ、その生徒たちの未来は幸せになるかわかりません。

事実、頑張って良い高校に受かったとしても、塾で強制的にやらされていたことで、自主学習が出来ずに落ちぶれていった生徒も見てきました。

なので、今までの塾とは違う型の指導法をしなければ意味がありません。

と、ここまではかっこよく聞こえるかもしれません。しかし、この違う選択をすることは決して楽ではありません。共感を得られることが難しいからです。

理由は簡単で、ニーズを無視しているからです。
成績さえ上がれば、受験に合格さえすれば良いというニーズです。

おそらく私のやっていることは間違っていません。間違っていると思っていたら塾を開業なんてしません。

しかし、間違っていなかったとしても、伝え方を考えなければ共感は得られません。いくらそれっぽいことを言っても、受験がすべてという考え方を持っている人には選ばれません。

それだけ他と違う選択をするということはハードな選択です。
これが上手くいけば美談ですが、うまくいかなかったらただの夢を見ただけの人で終わりです。

私の人生なので、誰も同情もしてくれません。むしろそんな塾があったことすら忘れ去られます。

そうならないように、本質的なニーズを引き出し、結果を出す。今からの1年はこれに尽きます。

他と違う選択をすることは決して悪いことではありません。しかし、それが正しいと証明するためには、それなりの苦労を伴うことも知っておいてください。

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