やりたいことが見つからないのはなぜか

塾で仕事をしていると、「将来何をしたいかわからない」という質問が多く寄せられます。私は基本的に「それが当たり前だから、焦る必要はない」と答えます。

ただ、将来の夢というものを持っていなかったとしても、ざっくりでも良いので、未来の自分像を描いていた方が良いとは思います。

この自分が何をしたいか分からない現象は、中学生高校生のみならず、就職を間近に控えた大学生にもよくある現象です。

ただそれはよく考えれば当たり前の話なのですが、意外と多くの人が「やりたいことが見つからない」「将来の夢がないから頑張れない」と言います。

結論から言うと、順番が逆です。人は、やったことがあることや見たことがあるものしか想像することが出来ません。これも当たり前のことです。

例えば小学生に将来の夢を聞いたときに、『警察官』や『看護師』『消防士』など定番のものや、最近で言えば『YouTuber』という子も増えていますよね。これに共通して言えることは、見たことあるものや聞いたことがあるものです。

例えば小学生の夢を聞いて、『デバッガー』や『公認会計士』と答える小学生を見たことがあるでしょうか。私は今のところありません。当然、見たことも聞いたこともないからです。

でも実際にデバッガーや公認会計士という仕事があり、その職に就いている人はいるのです。それはなぜでしょうか。その人たちはいきなりやりたいこととしてその仕事を思いついたと思いますか。そんなわけないですよね。

やりたいことを探すために、自分に合った仕事を探すために、先に学んだからです。やりたいことが見つからないからと見つけることを放棄している人を横目で見ながら、将来につながるかは分からないけど、色々なことを学んできたからこそ、多くの選択肢に出会い、見つけることが出来たのです。

これは勉強をすることにも同じことが言えます。誰しもが嫌いな教科があると思います。しかし、それが自分に向いていないかどうかは別の話です。

そもそもちゃんと勉強していないのにどうして苦手かどうかの判断が出来るのでしょうか。スポーツもやってみなければ向いているかも楽しいのかも分からないし、趣味に関しても同じことが言えます。

ここで一番最初の話に戻ります。将来の夢というものを持っていなかったとしても、ざっくりでも良いので、未来の自分像を描いていた方が良いというのは、何に手を付けてみるか、何をやってみるかの指標になります。

何でもかんでもやってみることも大事なのですが、選択肢が多すぎると何をして良いのかわからなくなるものです。

例えばざっくりとお金持ちになりたいという理想像があるのならば、そこから連想するのも良いですよね。それを例を挙げて今回は終わりにします。

~具体例~
お金持ちになりたい→年収が高い企業に就職する→年収が高い企業を調べる→その企業がどんな人を求めているのかを調べる→その企業にどんな学歴の人が入社しているのかを調べる→その学歴を獲得するために何が必要かを調べる→何を勉強するかを決めやってみる

 

実際ここまで細かくする必要もありません。まずは「お金持ちになりたいなぁ。だったら学歴はあった方が有利だよね。じゃあ勉強がんばっとこう」くらいでもOKです。おそらくやっていくうちに、また新たな目標に出会うから。

やりたいものを見つけるためには、まずはやってみることを優先することです。自分が知らないことは出来ませんからね。

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